のんのんばあとオレ
- 作者: 水木しげる
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1997/07/10
- メディア: 文庫
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水木しげる少年が「のんのんばあ」と過ごした日々を描いた回想録。
2007年にフランスで開催された「第34回アングレーム国際漫画祭」で最優秀作品賞を取ったらしい。
なるほど、こりゃ取るわ。
日本以外は全部「外国」の俺には、フランスってどんな国かわからんが、アメリカみたいに「これぞエンターテインメントでござい」みたいなドヤ感は強くないように思う。
善かれ悪しかれ、200年国家とは歴史が違うのだよ、200年国家とは。
フランスには儚さを愛でる「侘び寂び」的なものがあるように思う。
知らんから勝手に妄想してるけど。
そう思ったのは「クリクリのいた夏」というフランス映画を観て。
この映画を端的に表すキーワードは「叙情」、「郷愁」。
この素朴さはハリウッドにはない。
俺の勉強不足もあるが、誰か「クリ夏」っぽい雰囲気のアメリカ映画があったら教えてくれ。
そしてこの「のんのんばあとオレ」も、実に朴訥に叙情と郷愁を描き出している。
フランスが持つ侘び寂びの琴線に共鳴しそうな感じはする。
以下、本書から気になった部分を引用メモ。
「シャレを愛する心が文化」
「バラの花は他の名で呼んでもいい匂いがする。
ライオンを他の名で呼んでも勇敢さに変わりはない。」
「男にとって女は教師だよ。
学校なんかじゃ教われないいろんなことを教えてくれる。
学校なんかやめてもええが
女に恋することをやめたらあかん」
(しげる父)
「おまえはなぜ村木家に生まれたか。
すべてのものが運命に定められた存在なのだ。
長い時が理解を深めるとは限らない。
一瞬は永遠であり永遠は一瞬である。」
(小豆はかり)